2026年6月20日|飲食店営業許可について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
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飲食店営業許可の申請手順を6ステップで解説|書類・費用・期間まで

宮田さおり / 更新:2026-06-18
飲食店営業許可の申請手順を6ステップで解説|書類・費用・期間まで
「物件は決めたけど、営業許可って何から手をつければいいの?」——開業相談で一番多い質問がこれです。結論から言うと、飲食店の営業許可は『事前相談→申請→施設検査→交付』の流れで、早い自治体なら1週間ほど、長くても2〜3週間程度で取れます。

私は行政書士として飲食店の開業支援を8年、年間30件以上の許可申請に同行してきました。この記事では、保健所への事前相談から営業許可証の受け取りまでを6ステップで、現場で実際につまずいたポイントも交えて解説します。

この記事で分かること:必要書類と記入のコツ/立入検査でチェックされる施設基準/費用と期間の目安/差し戻しの原因と対処法/開業日から逆算したスケジュールの立て方。

飲食店営業許可とは?申請の全体像と所要期間・難易度

【飲食店営業許可の​取得方法】条件・申請方法は?
【飲食店営業許可の​取得方法】条件・申請方法は?

飲食店を営業するには、食品衛生法に基づく「営業許可」が必要です。申請先は店舗の所在地を管轄する保健所。これは全国共通の大前提です。

飲食店営業許可証の役割と無許可営業の罰則

営業許可証は「この施設は食品衛生上の基準を満たしている」と保健所が認めた証明です。許可なく営業すれば食品衛生法違反となり、罰則の対象になります。

正直に言うと、無許可で営業して得をすることは何もありません。発覚すれば営業停止に追い込まれ、信用も一瞬で失います。許可は開業の通行手形だと考えてください。

申請から開業までにかかる期間と費用の目安

許可が下りるまでの期間は、自治体の案内ではおおむね1週間程度から2〜3週間程度です。手数料も自治体ごとに違います。静岡県の案内では、飲食店営業の許可手数料は16,000円、更新時は12,800円と示されています。

申請の費用と期間の目安(出典のある数値)
金額・期間は自治体で異なります。最終確認は管轄保健所へ。
項目内容出典
許可手数料(新規)16,000円(静岡県の例)静岡県
許可手数料(更新)12,800円(静岡県の例)静岡県
取得までの期間おおむね1週間〜2〜3週間程度各自治体案内

開業日から逆算した申請スケジュールの立て方

申請のタイミングは自治体で細かく違います。厚生労働省の資料では、施設完成予定日の約10日前までに申請するよう案内されています。

さらに自治体ごとの締切も押さえておきましょう。栃木県は検査希望日の1週間前まで、静岡市は営業開始予定日の15日前までに書類を持参、と案内しています。

私が同行する案件では、開業日の1か月前には事前相談を済ませるよう勧めています。検査で直しが入ると再検査になり、そこで1週間飛ぶことが珍しくないからです。余裕は多めに。

申請前に準備するもの・前提条件

申請書を出す前に、そろえておくべき前提があります。中でも食品衛生責任者の確保は必須です。これがないと申請が進みません。

申請前に準備するもの・前提条件

食品衛生責任者の資格取得(講習の受講方法・費用・所要時間)

申請書類には、食品衛生責任者の資格を証明する書類が必要です。調理師や栄養士などの資格を持っていればそのまま充てられますが、無資格なら養成講習を受けます。

講習は各都道府県の食品衛生協会が実施しています。受講費用・日程・所要時間は実施団体ごとに異なるため、申込み前に管轄の協会の最新案内で確認してください。ここで具体的な金額を断言するのは避けます。地域差が大きいからです。

私の経験上、講習は人気の回がすぐ埋まります。開業を決めたら真っ先に予約を入れるのが、結果的に一番のスケジュール短縮になります。

防火管理者の選任が必要なケース

一定規模以上の店舗では、消防法に基づく防火管理者の選任と届出が必要です。営業許可とは別に消防署へ届け出ます。詳しい流れは後半のステップ4で触れます。

居抜き・テナント物件選びと許可取得の関係(契約前の注意点)

ここが一番怖いところです。物件を契約してから「許可が下りない構造だった」と気づくケースが、実際にあります。

飲食店営業の許可は、施設の構造・設備が基準を満たしているかで判断されます。手洗い設備やシンクの数、床や壁の素材が不適合だと改修が必要になり、想定外の費用がかかります。

私が必ず勧めるのは、契約前に物件の図面を持って保健所へ事前相談すること。居抜きでも前の店の許可がそのまま引き継がれるわけではありません。「前も飲食店だったから大丈夫」という思い込みが、一番の落とし穴です。

飲食店営業許可の申請手順を6ステップで解説

ここからが本題の手順です。厚生労働省や自治体の案内に沿うと、流れは「事前相談→必要書類の準備→申請→施設検査→許可交付→営業開始」で整理できます。1ステップずつ見ていきます。

飲食店営業許可の申請手順を6ステップで解説

1. 保健所に事前相談する

最初の一歩は、図面を持って管轄保健所に事前相談すること。厚生労働省の資料でも、自治体案内でも、事前相談が前提として示されています。

ここで施設の構造・設備が基準に合うかを確認してもらいます。確認の目安:相談で「この図面なら問題ない」と言われれば、施工や書類準備に進んでOKです。

2. 必要書類をそろえて申請する

事前相談で固まったら、書類を整えて申請します。一般に営業許可申請書、営業設備の大要・配置図、食品衛生責任者の資格証明書が必要です。法人なら登記事項証明書、井戸水や貯水槽水を使うなら水質検査成績書も加わります。

申請の締切は自治体次第。施設完成予定日の約10日前まで(厚労省資料)、検査希望日の1週間前まで(栃木県)など、管轄のルールに必ず合わせてください。

確認の目安:受付で書類の不備を指摘されず、検査日の予約が取れれば、この段階は完了です。

3. 保健所の立入検査を受ける

申請後、保健所の担当者が施設に来て検査します。図面どおりに作られているか、設備が基準を満たすかを現地で確認します。

うまくいかないときは——不適合だと改善後に再検査になります。栃木県の案内でも、不適合の場合は改善して再検査を受けると示されています。手洗いの位置や設備の不足は、当日に指摘されがちなので事前にチェックを。

確認の目安:検査に合格すれば、いよいよ許可交付へ進みます。

4. 営業許可証を受け取り消防署へ防火管理者を届け出る

検査に合格して初めて営業許可証が交付されます。交付後に営業を開始する、という順序は自治体案内でも一貫しています。許可証は店内の見やすい場所に掲示してください。

あわせて、防火管理者の選任が必要な規模なら消防署への届出を済ませます。これで「6ステップで営業を開始できる状態」に到達です。

申請に必要な書類と記入のポイント

食品衛生申請等システムのご利用方法~営業届出~
食品衛生申請等システムのご利用方法~営業届出~

書類でつまずく人は本当に多いです。何が必要で、どこに気をつけるかを整理します。

営業許可申請書・施設の図面・水質検査成績書など

厚生労働省の資料に沿うと、基本セットは営業許可申請書、営業設備の大要・配置図、食品衛生責任者の資格証明書です。

飲食店営業許可の主な必要書類
自治体により様式・追加書類が異なります。管轄保健所の案内を優先。
書類内容誰に必要
営業許可申請書屋号・所在地・営業者情報などを記載全員
営業設備の大要・配置図施設の構造・設備を示す図面全員
食品衛生責任者の資格証明書資格証や講習修了証全員
登記事項証明書法人の登記内容を証明法人のみ
水質検査成績書井戸水・貯水槽水の水質結果井戸水等を使う場合

記入のコツ:屋号や所在地は契約書・登記と一字一句そろえること。表記ゆれは差し戻しの定番原因です。図面は手洗いやシンクの位置まで書き込むと検査がスムーズになります。

個人事業主と法人で異なる必要書類の比較

大きな違いは登記事項証明書の有無です。法人は申請に登記事項証明書が必要、個人事業主は不要。ここを取り違えると当日に出直しになります。

個人事業主と法人の必要書類の違い
項目個人事業主法人
登記事項証明書不要必要
申請者名義個人名法人名(代表者)
基本の申請書類共通共通

食品衛生申請等システムでのオンライン申請手順

申請方法は窓口・郵送・オンラインと自治体で分かれます。静岡県では、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」によるオンライン申請が案内されています。

オンラインの大まかな流れ:アカウント作成→事業者・施設情報の入力→書類のアップロード→申請。ただし施設検査自体は現地で行うので、オンラインでも事前相談は省けません。対応状況は管轄保健所で確認を。

立入検査でチェックされる施設基準の詳細

検査で見られるのは「衛生的に調理できる構造か」です。施設検査に合格して初めて許可が交付される、という流れは複数の自治体で共通しています。具体的に何を見られるかを押さえましょう。

立入検査でチェックされる施設基準の詳細

手洗い設備・シンクの数・床や壁の素材

現場でよく指摘されるのは、手洗い設備の有無と位置、シンクの数、そして床や壁が清掃しやすい素材かどうかです。設備の細かな基準は自治体で差があるため、数値は事前相談で確認するのが確実です。

私が同行して一番多く見た差し戻しが「手洗いが調理スペースから遠い・足りない」というもの。図面の段階で位置を決めておけば、ほぼ防げます。

2021年食品衛生法改正とHACCP対応のポイント

食品衛生法の改正により、すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められるようになりました。飲食店も対象です。難しく考えず、まずは衛生管理計画を作って日々の記録を残すことから始めればよい、と私は説明しています。

具体的な記録様式や運用は管轄保健所の案内に従ってください。検査時に計画の有無を聞かれることもあります。

業態別の許可の違い(カフェ・バー・菓子製造・キッチンカー)

同じ「飲食」でも、必要な許可は業態で変わります。店内で調理して提供するなら飲食店営業許可。一方、ケーキやパンを作って売る菓子製造、移動販売のキッチンカーは、それぞれ施設や設備の要件が変わってきます。

特にキッチンカーは「どこで仕込むか」も問われます。バーで深夜に酒類を主に提供する場合は、別途の届出が必要になることも。自分の業態がどれに当たるかは、事前相談で確認するのが間違いありません。

つまずきやすい点と不許可・差し戻しの対処法

申請でつまずくと開業日がずれます。私が見てきた差し戻しの原因は、ほとんどパターンが決まっています。先回りして潰しましょう。

つまずきやすい点と不許可・差し戻しの対処法

よくある差し戻し原因とその直し方

代表的なのは、図面と現場の不一致、手洗い・シンクの不足、屋号や住所の表記ゆれ、食品衛生責任者の証明書の添付忘れです。

よくある差し戻し原因と対処
原因起きること対処
図面と現場が違う検査で不適合施工後に図面を実態に合わせて修正
手洗い・シンク不足再検査事前相談で必要数を確認しておく
屋号・住所の表記ゆれ書類差し戻し契約書・登記と完全に一致させる
資格証明の添付漏れ受付不可講習修了証・資格証を事前に手配

不適合でも終わりではありません。改善して再検査を受ければ通ります。慌てず、指摘箇所を一つずつ直すことです。

自治体ごとの費用・基準の違いへの備え

手数料も締切も、自治体でバラバラです。静岡県は新規16,000円・更新12,800円。締切は栃木県が検査希望日の1週間前、静岡市が営業開始15日前。これだけ差があります。

だからこそ、ネットの一般論を鵜呑みにせず、最終確認は必ず管轄保健所で行ってください。これが遠回りに見えて一番の近道です。

営業許可と並行して必要な他の手続き・開業後の義務

【申請忘れてませんか?】意外と知らない食品営業申請の解説/オンラインHACCP教室
【申請忘れてませんか?】意外と知らない食品営業申請の解説/オンラインHACCP教室

営業許可だけ取れば終わり、ではありません。開業前後にやるべき手続きをまとめて押さえておくと、抜け漏れがなくなります。

税務署への開業届・社会保険などの届出

個人事業主なら税務署への開業届。従業員を雇うなら労働保険・社会保険の手続きも出てきます。営業許可と並行して準備を進めると、開業後にバタつきません。具体的な様式は各窓口の案内に従ってください。

更新手続きのタイミングと変更届

営業許可には有効期限があり、期限が切れる前に更新が必要です。静岡県の例では、更新時の手数料は12,800円。更新の具体的な時期は許可証に記載されるので、期限の前に余裕をもって手続きを。

営業者や施設の内容が変わったときは変更届が必要になることもあります。引っ越しや改装の前に保健所へ相談を。

資金調達・補助金など開業費用の全体像

許可手数料は開業費用のごく一部です。物件の改装、厨房設備、食品衛生責任者講習、各種届出——ここまで含めて資金計画を立てておくべきです。私は相談で必ず「許可費用だけ見て予算を組まないで」と伝えています。

よくある質問(FAQ)

相談でよく受ける質問を、出典のある事実ベースで答えます。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

飲食店の営業許可証はどこで取れますか?
店舗の所在地を管轄する保健所です。申請先は保健所と全国共通で、まずは図面を持って事前相談に行くのが第一歩になります。
営業許可証の有効期限はどのくらいですか?
営業許可には有効期限が設定され、期限前に更新手続きが必要です。期限は許可証に記載されます。静岡県の例では更新時の手数料は12,800円と案内されています。具体的な年数は管轄保健所の案内で確認してください。
テイクアウトのみでも飲食店営業許可は必要ですか?
調理して提供する形態であれば営業許可が必要になるのが基本です。ただし提供品目や調理内容で必要な許可の種類が変わるため、自分の業態を事前相談で確認するのが確実です。
申請から営業開始までどれくらいかかりますか?
自治体の案内ではおおむね1週間程度から2〜3週間程度です。施設検査で不適合だと再検査になり、その分延びます。開業日の1か月前には事前相談を済ませておくと安心です。

最後に一言。許可申請は「物件契約前の事前相談」と「講習の早めの予約」、この2つを押さえるだけで、つまずきの大半は防げます。図面を持って、まず保健所に足を運んでください。それが開業への確実な第一歩です。

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宮田さおり

行政書士(飲食・風営法専門) ・ 飲食店開業支援の実務経験あり(年間30件以上の許可申請サポート)
飲食店許認可サポート歴8年

行政書士として飲食店の開業支援を専門に行い、保健所や消防署への同行経験をもとに、申請の実態を正確に伝えることを心がけています。開業を目指す方が迷わず動けるよう、手順と注意点を現場ベースで解説します。

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